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街路樹の不満(ショートショート)

2019.02.08 22:04

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 街路樹は、人間の生活をよりよくする為に植えられている。
 並木道をつくり景観がきれいになる。騒音の低減、ヒートアイランド現象の緩和、直射日光を遮る、強風を抑えるなど。
 黙って立っているだけの街路樹と思ってましたが、実は人間の知らないところで会話をしていました。

「ちょっとー、右に立ってるあなた、あなたの枝があたしの視界をふさいでるの。邪魔だからなんとかしてよ。枝を横に広げないでよ」
「ごめんなさい。最近、体調が良くて、起きたら急に枝が伸びてきたんだ。僕もすこし重たいなと思ってたんだ。今度人間が来た時に剪定してもらうよ」
「早く剪定してもらってよ。目障りでしかたないわ」
「そんなにカリカリしなくてもいいだろ。そいつが悪いわけじゃないよ」
「あなた、横から何よ。偉そうに」
「別に偉そうにしてるつもりはないけど。目くじらたてて怒ることでもないと思うけどな」
「あなたも態度悪いわね。それに背が高すぎるでしょ。あたしが隠れてるじゃない」
「ハハハ、そうだな。俺がここの列では一番背が高いからな」
「あんた、あたしが怒ってるのに何笑ってんの。バカじゃない」
「あんまり怒らない方がいいよ。老けて枯れてしまうよ」
「失礼ね。あたしが老けてるっていうの。それってセクハラじゃない」
「ごめん、そんなつもりじゃないんだ」
「この場所はイライラするわね。場所変えてくれないかしら。隣との距離も近すぎるのよ。人間もちょっと考えて植えなさいよね」


「住民から通報があった木は、この木だな」
「そうです、これですね」
「何よ、この人間達。あたしの前に立ってあたしを見上げて。あたしじゃなくて、隣の枝伸ばしてるバカを剪定するのよ」
「あー、住民の通報どおりだ。お前も触ってみろ」
「ほんとですね。もうダメですね」
「何よこの人間。気安くあたしの体に触らないでよ。セクハラで訴えるわよ」
「この木は、根っこから腐ってるな。倒木すると危険だから早急に伐採するしかないな。すぐに手配してくれ」
「わかりました。業者に連絡しておきます」
「でも、何でこの木だけ腐ってるんだろうな」
「環境は隣の木と変わらないですけどね。不思議ですね」



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