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バレンタインディの着衣の口論(ショートショート)

2019.01.31 11:04

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 本日は、西高東低の気圧配置になり、この冬一番の冷え込みになります。都心部でも雪がちらつきます。暖かくしてお出掛けください。


 母「今日は冷え込むみたいね」

 咲希「そうみたいだね」

 母「あら咲希、コートなんか着てどうしたの」

 咲希「ちょっと出掛けてくるわ」

 母「えっ、そうなの、今日は冷え込むから家でおとなしくしてたらいいのに」

 咲希「今日はバレンタインだよ」

 母「あっ、そうか。真人君とデートなのね、気を付けていってらっしゃい」

 咲希「はーい、いってきまーす」



 コート「今日、めちゃくちゃ寒いな。咲希ちゃんよ、こんな日は、お母さんの言う通り、外出せんと、おとなしく家で過ごそうや」

 セーター「何言ってるんですか、コートさん。あなたが活躍出来るのは、今日みたいな日しかないじゃないですか。今日くらいは活躍して下さいよ」

 コート「なんや、ちょっとムカつくな。普段、俺が活躍してないような言い方やないかい」

 セーター「だって、そうじゃないですか。いつもは、咲希さんに抱えられてるだけで、仕事してないじゃないですか。私は、そんな時でも咲希さんが寒くならないように頑張って仕事していたんですから」

 コート「俺が咲希さんに抱えられている時、サボってると思てるんか」

 セーター「そうですよ。楽で羨ましいですよ」

 コート「心外やわ~。君らが役立たずやから、待機してるんやないかい。君らがしっかりしてくれてたら、俺も休めるんやけど、ちょっと冷え込んだら、ホンマ、君ら全く役立たずやで、自覚してや」

 セーター「役立たずは言い過ぎ違いますか。コートさんこそ、しっかりして下さいよ。今も寒気が私のところまで、ドンドン入ってきてますよ。しっかりガードしておいて下さいよ」

 ヒュ~ルゥ~、ヒュ~ルゥ~

 咲希「あー寒い、寒い、フーゥ」

 コート「何、言うてんねん。俺はしっかりガードしてるわ。セーター、お前がしっかり保温出来てないだけやろ」

 セーター「私はしっかり保温もしてますし、寒気もガードしているつもりです」

 コート「してるつもりやと。ホンマ、つもりだけやな。お前らは俺と違って今日みたいな寒風にさらされることもないから、甘えもひどいもんやな」

 セーター「コートさん、偉そうに言い過ぎですよ。あなたは出番が少ないから、楽じゃないですか。私は秋からずっと咲希さんを守っているんです。咲希さんも私のことを信頼してくれてますよ」

 コート「セーター、お前の代わりなんか、なんぼでもおるんやで。そっちこそ偉そうにしとったら痛い目みるで」

 セーター「これからコートさんと一緒になるのは嫌です。咲希さんにお願いしよう」

 コート「勝手にしろや、セーターも酷いけどスカートよ、何で今日お前が出てくるんや。今日は絶対パンツやろ。咲希ちゃんの下半身、冷やしすぎやで」

 スカート「そうよねぇ、あたしも今日は出番ないなぁ、と思って油断してたんだけどさぁ、咲希さんのご指名なんだよねぇ、何とか頑張ってんだけど、パンツ君ほど役に立ってないよねぇ」

 セーター「私が咲希さんの体を一生懸命暖めても、下半身から冷やされると、こっちの負担が大きいんだけど」

 スカート「ごめんねぇ、皆さんに迷惑かけてるのは、わかってたんだけど」

 ハイヒール「あなた達、もう少し仲良くしましょうよ。スカートさんも一生懸命なんだから、あまりイジメないでよ」

 コート「そう言うハイヒールも、何で今日出てくるんや、役立たんやろ。お前は足手まといやで」

 ハイヒール「ごめんなさいね、場違いかなと思ったんだけど、私も咲希さんのご指名なの。あっ、冷たーい」

 路面が凍っていてハイヒールには厳しい。

 ハイヒール「コートさんもセーターさんもスカートさんも大変だと思うけど、気付いてないようだけど、下着さんも咲希さんの汗を吸いながら、体温を維持するのに、黙々と頑張ってくれているのよ。だから、みんな各々に頑張ってるんだから、咲希さんの為に協力しあいましょうよ。あっ、又、冷たーい」

 水溜まりでハイヒールが濡れた。

 セーター「そうですね、私たちが協力しないと咲希さんに迷惑かかってしまいますから」

 ハイヒール「そうよ、みんなで咲希さんを助けてあげましょうよ。今日、咲希さんに選ばれたメンバーなんだから協力しあいましょう」

 セーター「私は、これまで自分だけが辛いことをしてると思ってました。皆さんが各々の役割を頑張ってくれてることに気付いてませんでした。コートさんスミマセン。一番厳しい寒さをまともに受けてくれているわけですから、私達は助かっています。下着さんは汗を吸って体温を維持してくれてるので有り難いです」

 コート「こっちこそ言い過ぎた。申し訳ない。そうやな、みんなで協力せんことには咲希ちゃんの役に立つこと出来ひんわな。セーターよ、仲直りしてお互い頑張ろうや。寒気は俺がガードしておくから、少し楽にしといてや」

 セーター「コートさん、今日は特に寒さがキツいのに、有難うございます」

 コート「かまへんで、俺よりハイヒールの方がキツいと思うで。路面が凍ってるし、水溜まりもあるし、ハイヒール大丈夫か」

 ハイヒール「何とか大丈夫、もうすぐ咲希さんが真人さんと会って、その後は真人さんの車だから、そこからは楽になると思うわ。コートさんお気遣い有難う」

 セーター「ハイヒールさん、ホント大変ですね。車ではゆっくり暖まって下さい。コートさんも車では、ゆっくり休憩しておいて下さいね。咲希さん今日は丸1日デートでしょうから日が暮れてから、コートさんに助けてもらわないと、私達だけでは咲希さんに風邪を引かせてしまいます」

 コート「セーター有難うな。車では休憩させてもらうわな。その間、セーター頑張ってな。帰りは、ガッチリ寒気ガードするわ」

 スカート「みんな仲良くなってよかったね。出来たらみんなで休憩したいね」

 ハイヒール「みんなで休憩するためには、咲希さんと真人さんがデートで盛り上がることが必要ね」

 スカート「咲希さんと真人さんが盛り上がれば、みんなで休憩出来るの」

 ハイヒール「そうよ」

 スカート「黙々と頑張ってくれてる下着さんも休憩出来るの」

 ハイヒール「そうね、真人さんの口説き次第かな。咲希さんの今日の下着はお気に入りだったから、チャンスは十分あると思う。下着さん、そうよね、あなたたち今日は、咲希さんにバレンタイン用として指名されたのよね」

 下着達「ハイ」

 コート「いいね、いいね、俺はその時、のぞきに行くわ」

 ハイヒール「ダメよ、みんなで休憩しましょ。仲良くね」



 咲希「真人、お待たせ、寒いね」

 真人「おぅ、咲希、今日は一段とおしゃれで綺麗だよ。咲希がこんなに綺麗だと、俺今日は、めちゃくちゃ張り切っちゃうよ」


 ハイヒール「今日はみんなで休憩出来そうな予感」

 セーター「そうですね、スカートさんとハイヒールさんのおかげですね。真人さんに気に入られてるみたいです」


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